オスカーナイトの反戦デモ
3月23日にハリウッドのコダック劇場で開催されたアカデミー賞授賞式だが、そのすぐ側で、数千人規模の反戦デモが開かれた。式の安全確保とデモの監視のために、警官、爆発物処理班、狙撃班、警察犬、軍隊、CIAやFBIなど1万人近くが動員され、サミット並みのセキュリティとなった。ハリウッドは終日、ものものしい雰囲気に包まれた。 (拡大写真は画像をクリック)
取材手記
デモの現場には、報道関係者の姿も多く見られた。しかし興味深かったのは、いつもなら偉そうに陣取っているネットワーク系テレビ局がほとんど来ていないことだ。CNNやCBSのロス支局が目と鼻の先にあるにも関わらず、である。目立っていたのは、地元向けのエスニックメディアや海外のメディアだった。どこのメディアか聞いてみると、ヒスパニック系(スペイン語)、アルメニア、韓国、アラブ系などだった。日本人のカメラマンにも遭った。 アメリカの大メディアが体制の中に組み込まれたことが、戦争を現実化した理由の1つとも言われているが、その一面をこの場に見たような気がする。彼らはここにある民衆のメッセージを伝えず、次の日に「反戦デモで逮捕者」というような見出しで、「平和を訴えているのに、矛盾している」というような観点から、この日のことを取り上げていた。確かに、警察ともみ合う場面もあったが、それは本当に終盤30分くらいの出来事で、参加者は終日、反戦やブッシュ批判を平和的に訴え続けた。この意思と根気のいる市民の活動を大メディアは無視し、ハイライトの部分(=映像として面白い)を撮るために一瞬だけやって来たのだ。 第一次湾岸戦争の報道革命はCNNに代表されるケーブル局だった。そして、今はインターネットという革命がある。大メディアに頼らなくても、民衆のメッセージは確実に伝わると信じたい。