新しい入国管理制度

アメリカでは1月5日から、空港や海港における外国人の新しい入国管理制度が始まった。

多くの国の入国審査同様、アメリカでもこれまでは係官によるパスポートとビザの確認、渡航に関する質問が行なわれてきたが、これに加え、個人の顔写真をデジタル撮影し、人差し指の指紋をスキャンする「生体識別検査」が導入された。

但し、日本を含める27ヵ国のビザ免除となっている短期滞在者などは、この制度の対象外となる。観光や出張で行く限りは、従来の入国審査と変わらない。

しかし、ビザを持って入国する留学生や駐在員などは注意が必要だ。何も知らずに入国審査を受け、混乱している人も多いという。また、滞在に関する質問も従来より時間をかけ、厳しい審査を行なっているというから、渡航者はそのつもりで臨むべきだろう。

この制度が導入されてすぐ、知人が日本から戻ってきたが、新しい入国管理についてまったく知らなかったため、いきなり指紋と顔写真を取られ、かなり当惑したという。また、アメリカで数年仕事をしている彼ですら、係官の矢継ぎ早の質問に緊張して上手に答えられなかったとのことだ。ただ、これはロサンゼルス国際空港での話。ロス空港の入管は悪名高いので、他の空港ではもう少し親切に対応しているかもしれない。

空港で収集された個人の情報は、国土安全保障省のデータベースに登録され、再入国の際には照合に使用されるという。テロリストや犯罪者の発見を目的とする生体識別検査は、日本でも検討されているらしいが、外国人の個人情報を政府が管理することへの批判もアメリカ国内外で出ている。

この制度への報復として、ブラジルはアメリカ人だけに対して、空港で指紋採取を開始した。また、アメリカ政府は現在ビザが免除となっている国のパスポートに、本人のデジタル写真と指紋を追加するよう、各国政府に要請しているが、これに対する反発も強まっている。

アメリカの入国管理をめぐる問題は、国際的な議論に発展しそうだ。

2004.01.13